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スマートに生きているように見えて

  • 執筆者の写真:  Fumiko MIKUNI HAMANO 三国富美子 浜野富美子
    Fumiko MIKUNI HAMANO 三国富美子 浜野富美子
  • 2023年3月17日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年3月22日


プロコフィエフ ヴァイオリンコンチェルトNo.2


今回の課題。

全ての楽章が終わった。

この曲はブーロンヌビアンクールのCNSMでオリヴィエ先生が学生オーケストラと共に素晴らしい演奏を聴かせて下さったことがあり、練習中は常にその記憶が離れなかった。


6年前の自身のブログを探してみたら残っていた。

「先生のコンチェルトの本番をお客として初めて見た先々週、バイオリンを聴いているような感じがせず、

映画や絵画とも違い、大きな海か、大自然を前にしているかの気持ちになった。

.,.芸術が大自然と重なる瞬間を教えてくれるのなら。」


先生のボーイング、シフティングの楽譜は今となってはもう、当たり前になってしまったが、プロコフィエフの楽譜を手にした時には手が震えるほど嬉しかった。

あの時の演奏の!!


作曲家は残してくれた作品からその時の時代や、人が何を思い、どのように生きてきたかを教えてくれる。

特に近代の作曲家は今の価値観に近いだけによりリアルに感じさせてくれる。

日本にも滞在していたし、プロコフィエフは然り。


プロコフィエフの作品はハチャトリアンとも違い、

作品が、作曲家から放された状態でやってくる。

一見スマートで潔癖で、完璧主義で威圧的な感じがするものの、

時代に翻弄されつつも彼は手を休めることなく猛烈なエネルギーを持って仕事をしていたに違いない。

更には、弾き手に自由さを与えてくれる作曲家だと私には感じられた。


レッスンの翌日、先生はメールをくださり旦那のリサイタルの為に推薦文を添付してくれた。私には富美子は次に何を演奏するか、僕と話し合わないといけないよ、と一筆下さった。

スマートそうに見えて情熱に溢れている人がここにもいた。

メールでの相談後、次の課題はシベリウスのバイオリンコンチェルトになった。




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